LPの成果が伸びない原因は、感覚では切り分けできません。

本記事ではGA4での見方、必ず見るべき9指標、改善までの5ステップを一気通貫で整理します。読み進めることで流入差分や次ページから課題を特定し、ヒートマップとA/Bテストで検証まで回せるようになります。

マケ子

今日から使えるLPチェックリスト付きです

目次

LP分析とは何か

LP分析とは何か

LP分析とは、ランディングページ(Landing Page)の成果を数値で把握し、改善すべき箇所を特定するプロセスです。広告や検索から流入したユーザーが「なぜコンバージョンしないのか」「どこで離脱しているのか」をデータで切り分け、次に直すべき場所を判断できるようにします。

本記事の前半では「何を見るか(9指標)」と「どう見るか(GA4・ヒートマップ)」を整理し、後半では「どう直すか(改善チェックリスト)」と「どう検証するか(A/Bテスト)」までを一気通貫で扱います。

LP分析で改善できる範囲を整理する

LP分析で改善できる範囲は、大きく「LP内」と「流入側」に分かれます。LP内はファーストビュー(FV)、CTA、フォームなど、ページ上で直接コントロールできる要素です。流入側は広告クリエイティブや検索キーワードなど、LP到達前の段階を指します。

成果が出ないときは、まず「流入の質が悪いのか、LP内で離脱しているのか」を切り分けることが出発点になります。流入元ごとにCVR(コンバージョン率)を比較し、特定の流入だけ極端に低い場合は広告側の問題、全体的に低い場合はLP内の問題と仮説を立てましょう。

切り分けずに「とりあえずFVを変えよう」と進めると、原因が流入側にあった場合に改善が空振りしてしまいます。まず切り分け、次に直す、という順番を守ることで、打ち手の精度が上がります。

関連記事:ランディングページとは

コンバージョン改善に不可欠な理由を理解する

LP改善を感覚で進めると、何が効いたのか分からないまま終わってしまいます。

例えば⋯⋯

デザインを変えたら問い合わせが増えた気がする」という状態では、再現性がありません

次に同じ施策を打っても成果が出るか判断できず、チーム内での合意形成も難しくなるでしょう。

データに基づいた分析が重要です。

また、「FVでの離脱が多い」「フォーム到達後の完了率が低い」といった課題が数値で見えれば、どこから手をつけるべきか判断できます。改善後もデータで効果を検証できるため、学習が蓄積されていきます。

分析→仮説→改善→検証というサイクルを回すことで、成果の再現性が高まります。上司への報告や社内提案でも、数値に基づく根拠があれば説得力が増すはずです。

LP分析で必ず見るべき9つの重要指標と目安

LP分析で必ず見るべき9つの重要指標と目安

LP分析で見るべき指標は多くありますが、優先度の高いものは9つに絞れます。

これらを「成果」「コンテンツ評価」「ユーザー行動・属性」「技術・外部要因」の4カテゴリに整理すると、どの指標が何を示しているか迷いにくくなります。

目安となる数値は流入元や業種で大きく変わるため、絶対値より「自社の過去比較」「流入元ごとの差分」で判断するようにしましょう。

指標意味異常の例次アクション
CV(コンバージョン)最終成果の件数急減・急増計測漏れ・流入変動を確認
CVR流入に対するCV割合流入元で大差流入の質かLP内か切り分け
直帰率1ページで離脱した割合極端に高いFV・メッセージマッチを確認
離脱率そのページが最後になった割合特定箇所で集中離脱地点の導線・訴求を確認
スクロール率ページのどこまで読まれたか途中で急落落ちた地点のコンテンツを確認
滞在時間ページに留まった時間極端に短い/長い読み込み・迷いを確認
流入経路どこから来たか特定経路だけ低CVR広告・キーワードを見直し
デバイスPC/スマホ/タブレットスマホだけ低CVRスマホ表示・操作性を確認
表示速度ページの読み込み時間3秒超画像・スクリプトを軽量化
マケ子

この表は「何を見て、何を疑い、何をするか」をセットで整理したものです。

指標単体で判断せず、複数の指標を組み合わせて仮説を立てることで、的外れな改善を防げるようになります。

成果指標を押さえる

LP分析の最終的な判断基準は、CV(コンバージョン)とCVR(コンバージョン率)です。

本記事でのCVは「フォーム送信完了」「購入完了」「予約完了」など、LPで獲得したい最終成果を指します。CVRは「CV÷セッション数」で算出し、LPへの流入に対してどれだけ成果が出たかを測ります。

ただし、CVRだけで「このLPは良い/悪い」と断定するのは危険です。

流入が少ない時期のCVRと、キャンペーン中の大量流入時のCVRでは、同じ数値でも意味が異なります。CVRを見るときは必ず母数(セッション数)と流入元の差分も確認し、条件を揃えて比較するようにしてください。

コンテンツ評価指標を押さえる

直帰率、離脱率、スクロール率、滞在時間は、LPのコンテンツがユーザーに届いているかを測る指標です。

直帰率は「1ページだけ見て離脱した割合」、離脱率は「そのページがセッションの最後になった割合」を示します。似ていますが、直帰率はLP単体の第一印象、離脱率は導線上の問題を示唆するものと捉えましょう。

スクロール率は「ページのどこまで読まれたか」を可視化します。

CTAがページ下部にある場合、スクロール率が低ければCTAまで到達していない可能性があります。滞在時間は長ければ良いとは限らず、迷っている・読み込みが遅いケースもあるため、他の指標と組み合わせて判断しましょう。

指標疑う原因
直帰率が高いFVの訴求ズレ、メッセージマッチ不足、読み込み遅延
離脱率が特定箇所で高いその地点のコンテンツ不足、導線の分かりにくさ
スクロール率が途中で急落興味を失う箇所、情報過多、CTA未到達
滞在時間が極端に短い期待外れ、表示崩れ、読み込み失敗

GA4の定義はツールバージョンや設定で若干異なる場合があります。

マケ子

厳密な定義より「自社内での一貫した比較」を優先し、急激な変化があれば原因を深掘りする運用が実務的です。

ユーザー行動と属性指標を押さえる

流入経路とデバイスは、ユーザーの「どこから来たか」「何で見ているか」を示します。

同じLPでも、広告Aからの流入と広告Bからの流入でCVRが大きく異なることがあります。この差分を見ることで、LP内の問題か流入の質の問題かを切り分けられるようになります。

ただし「広告経由は質が悪い」「オーガニックは質が良い」と決めつけるのは早計かもしれません。データで差分を確認し、なぜ差が出ているかを仮説化することが大切です。

デバイス別で見ると、スマホだけCVRが低いケースでは、スマホ表示の崩れやタップ領域の問題が疑われます。

技術指標と外部要因指標を押さえる

表示速度、表示崩れ、計測漏れは、分析を始める前に潰しておくべき技術要因です。ページの読み込みが遅い場合、ユーザーは内容を見る前に離脱してしまいます。

この状態でFVやCTAを改善しても効果は限定的です。また、計測タグが正しく動作していなければ、そもそもデータが信用できません。

外部要因(季節性、競合の動き、市場トレンド)は直接コントロールできませんが、CVRの変動要因として頭に入れておく必要があります。急にCVRが下がった場合、LP内の問題だけでなく、外部要因も視野に入れて原因を探りましょう。

チェック項目確認方法
表示速度PageSpeed Insights等で計測
スマホ表示崩れ実機で確認、ブラウザの検証ツール
計測タグの動作GTMプレビュー、GA4リアルタイム
CVイベントの発火テストCV実行→GA4で確認

技術要因は分析の前提条件です。ここに問題があると、その後の分析結果がすべて歪んでしまいます。新しいLPや計測設定を変更した直後は、必ず確認しておきましょう。

LP分析から改善までを5ステップで実践する

LP分析から改善までを5ステップで実践する

LP分析は「データを見て終わり」ではなく、改善と検証まで回して初めて成果に繋がります。ここでは、初心者でも迷わず進められる5ステップを紹介します。

LP分析から改善までの5ステップ
  1. 目標と指標を具体化する
  2. ツールで現状を把握し課題を特定する
  3. 改善仮説を立て優先順位を決める
  4. 改善施策を実行する
  5. A/Bテストで検証し次の改善に繋げる

各ステップで出すべきアウトプット例も示すので、作業のゴールが明確になるはずです。

ステップ1|目標と指標を具体化する

最初に、LPで達成したい目標(KGI)と、そこに至る指標(KPI)を具体化しましょう。KGIは「月間CV件数」「月間売上」など最終成果、KPIは「CVR」「フォーム完了率」「CTA到達率」など途中経過を測る指標です。KPIは3〜5個に絞り、多すぎると追いきれなくなってしまいます。

KPIを決める際は、自分たちがコントロールできる指標を選ぶことが大切です。流入数は広告予算に依存しますが、CVRやフォーム完了率はLP内の改善で動かせます。目標を具体化しておくと、分析で何を見るべきか、改善で何を優先すべきかが明確になります。

種類備考
KGI月間CV30件最終成果
KPICVR、フォーム完了率、CTA到達率途中経過(3〜5個)

ステップ2|ツールで現状を把握し課題を特定する

目標が決まったら、GA4やヒートマップでデータを取得し、現状を把握します。見る順番は「全体→流入差分→LP別」が基本です。まず全体のCVRやセッション数を確認し、次に流入元ごとの差分を見て、最後に問題のあるLPを特定していきましょう。

このとき、比較する期間を揃えることが大切です。先週と先月を比較する場合、曜日のズレや季節要因が入り込んでしまいます。同じ曜日構成の週同士、同じ月の前年同期など、条件を揃えて比較することで、変動の原因を正しく捉えられるようになります。

ステップ3|改善仮説を立て優先順位を決める

課題が特定できたら、改善仮説を立てましょう。仮説は「根拠(データで見えた課題)」「改善案(何をどう変えるか)」「期待インパクト(どの指標がどう動くか)」の3点セットで整理すると、チーム内での共有や上司への説明がスムーズになります。

仮説が複数ある場合は、インパクト×工数で優先順位をつけます。インパクトが大きく工数が小さい施策から着手するのが基本です。すべてを一度に直そうとせず、1回に1テーマで進めることで、何が効いたかを検証できるようになります。

インパクト工数小工数大
インパクト大最優先計画的に実施
インパクト小余裕があれば後回し

優先順位は絶対的なものではなく、チームのリソースや期限によって変わります。

マケ子

このマトリクスを使って関係者と認識を揃え、合意形成に役立ててください。

参考記事:CVR改善の進め方

ステップ4|改善施策を実行する

改善施策を実行する際は、1回に1テーマで改修することが鉄則です。

FVの見出しとCTAの文言と色を同時に変えると、どの変更が効いたか分からなくなってしまいます。検証可能な状態を維持するために、変更点は最小限に絞りましょう。

また、変更ログを残しておくことで、後から振り返りができます。いつ、何を、どう変えたかを記録し、効果が出なかった場合にロールバックできる状態にしておくと、リスクを抑えながら改善を進められます。

日付変更箇所変更内容担当
2026/1/15FV見出し「〇〇で解決」→「〇〇を3分で診断」山田

ステップ5|A/Bテストで検証し次の改善に繋げる

改善施策の効果は、A/Bテストで検証しましょう。A/Bテストとは、変更前(A)と変更後(B)を同時に配信し、どちらが成果に繋がるかをデータで比較する方法です。

最小限の設計として「仮説」「計測指標」「テスト期間」を事前に決めておきます。ただし、流入が少ないLPでは、統計的に有意な差が出るまで時間がかかります。

母数が不足する場合は、A/Bテストツールを使わず「期間を区切って前後比較」する方法でも、一定の判断材料は得られるでしょう。完璧な検証にこだわるより、学習を止めないことが大切です。

項目内容
仮説FV見出しを具体化すると、直帰率が下がりCVRが上がる
計測指標CVR、直帰率
テスト期間2週間(各パターン最低500セッション目安)
判断基準CVRが10%以上改善、または直帰率が5pt以上改善

GA4でLPを分析する実務手順

LP分析から改善までを5ステップで実践する

GA4(Google Analytics 4)はLP分析の基本ツールです。ただし「ランディングページのレポートが見つからない」「ページとスクリーンとの違いが分からない」といった詰まりが多く報告されています。

ここでは、実務で使う順番に沿って、GA4でLPを分析する手順を見ていきましょう。

ランディングページを起点にデータを読む

GA4では、レポート画面から「ランディングページ」を起点にデータを確認します。

ランディングページとは、ユーザーが最初に訪れたページを指します。ここでLP別のセッション数、CV数、CVR、エンゲージメント率などを確認し、問題のあるLPを特定しましょう。

GA4には「ページとスクリーン」というレポートもありますが、これは「閲覧されたすべてのページ」を示すため、ランディングページとは異なります。

LPの入口分析には「ランディングページ」レポートを使い、LP内の回遊分析には「ページとスクリーン」を使う、と覚えておくと混同しにくくなるはずです。

見る項目意味
セッションそのLPへの流入数
CV(キーイベント)そのLPから発生した成果
セッションCVRセッションに対するCV割合
エンゲージメント率一定以上の滞在・操作があった割合

流入元とキャンペーンで差分を切り分ける

LP別に問題を特定したら、次は流入元ごとの差分を確認しましょう。

GA4では「トラフィック獲得」レポートで、参照元/メディア/キャンペーン別にデータを見られます。同じLPでも、広告Aからの流入と広告Bからの流入でCVRが大きく異なることがあります。

この差分を正しく見るには、UTMパラメータ(utm_source、utm_medium、utm_campaign等)を広告やメールに付与しておく必要があります。命名ルールを決めておかないと、後から集計が難しくなってしまいます。流入元の切り分けは、LPの問題か広告の問題かを判断する大切な材料です。

次のページと離脱地点から導線の問題を見つける

GA4では、ランディングページから「次にどのページに遷移したか」「どこで離脱したか」を確認できます。

探索機能を使うと、ページ遷移の流れを可視化できます。離脱が多い地点が分かれば、その箇所のコンテンツや導線に問題があるかもしれません。

ただし、離脱率が高い=悪いとは限りません。フォーム完了後のサンクスページで離脱率が高いのは正常です。問題なのは「CVに至る前の導線上で離脱が集中している」ケースです。離脱地点と、その地点がCVまでの導線のどこにあるかをセットで判断しましょう。

探索でファネルとセグメントを作って深掘りする

GA4の探索機能を使うと、LP閲覧→CTA到達→フォーム開始→フォーム完了といったファネル(目標達成までのステップ)を可視化できます。どのステップで離脱が多いかが分かれば、改善の優先順位がつけやすくなります。

ファネル分析には、各ステップに対応するイベント(例:cta_click、form_start、form_submit)が計測されている必要があります。

イベントが設定されていない場合は、ページ遷移(ページパス)で代替するか、GTMで新たにイベントを追加してください。

ステップイベント例代替(イベントなし)
LP閲覧page_viewページパスで絞り込み
CTA到達cta_clickスクロール率で代替
フォーム開始form_startフォームページのpage_view
フォーム完了form_submitサンクスページのpage_view

イベント計測が整っていない場合でも、ページ遷移ベースで簡易的なファネルは作れます。

マケ子

まずは現状の計測で見られる範囲から始め、必要に応じてイベントを追加していくのが現実的です。

ヒートマップで離脱理由を特定する

ヒートマップで離脱理由を特定する

GA4で「どこで離脱しているか」が分かったら、次は「なぜ離脱しているか」を深掘りしましょう。ここでヒートマップが役立ちます。

GA4が定量データ(数値)を示すのに対し、ヒートマップは定性データ(ユーザーの行動パターン)を可視化します。両者を組み合わせることで、改善仮説の精度が上がります。

ヒートマップで分かることと限界を押さえる

ヒートマップは、ユーザーがページ上でどこをクリックしたか、どこまでスクロールしたか、どこで視線が集中しているかを可視化します。

「CTAがクリックされていない」「ページ中盤でスクロールが止まっている」といった行動パターンが見えるため、GA4の数値だけでは分からない「なぜ」にアプローチできるようになります。

ただし、ヒートマップで分かるのは「行動」であり、「理由」ではありません。クリックが集中している箇所が「読者が興味を持った場所」なのか「誤クリックが多い場所」なのかは、ヒートマップだけでは判断できないかもしれません。

仮説を立てた上で、A/Bテストで検証するという流れが必要です。

できることできないこと
クリック集中箇所の可視化クリックの意図(なぜ押したか)の特定
スクロール到達率の把握離脱理由の断定
読まれていない箇所の発見因果関係の証明
誤クリックの兆候把握ユーザーの心理状態の把握

クリックとスクロールから改善仮説を作る

ヒートマップを見る際は、典型的なパターンを知っておくと仮説を立てやすくなります。

たとえば、CTAボタン以外の場所にクリックが集中している場合、その箇所がリンクに見えている可能性があります。スクロール率がページ中盤で急落している場合、そこでユーザーが興味を失っているかもしれません。

パターンが見えたら、以下のような改善仮説を立てましょう。

パターンが見えた後の改善仮説の一例
  • クリックが集中している画像にリンクを追加する
  • スクロールが止まる箇所の前にCTAを配置する
  • 誤クリックが多い箇所のデザインを変更する

仮説を立てたら、最終的にはA/Bテストで効果を検証してください。

目的別に使うLP分析ツールを選ぶ

目的別に使うLP分析ツールを選ぶ

LP分析に使えるツールは多くありますが、目的によって必要なデータとツールカテゴリが異なります。

ここでは「何を知りたいか」から逆算して、最小限のツール構成を整理します。無料で始められる組み合わせも紹介するので、予算が限られている場合の参考にしてください。

目的必要なデータツールカテゴリ
流入・CV・離脱を数値で把握セッション、CVR、離脱率アクセス解析(GA4等)
ユーザー行動を可視化クリック、スクロール、滞在ヒートマップ
改善効果を検証A/B比較のCVR差分A/Bテストツール
分析・仮説整理を効率化要約、パターン抽出LPOツール、AI活用

アクセス解析と計測の基本ツールを揃える

LP分析の土台となるのは、GA4GTM(Google Tag Manager)です。

GA4は流入・行動・CVを計測し、GTMはイベントタグの管理を行います。GA4だけでも基本的な分析はできますが、GTMを併用することで、CTA到達やフォーム開始といったカスタムイベントを柔軟に設定できるようになります。

最低限設定しておきたいイベントは、CTAクリック、フォーム開始、フォーム送信完了の3つです。これらがあれば、LP閲覧からCV完了までの導線をファネルで可視化できます。

マケ子

初期設定に時間をかけすぎるより、まずこの3つを計測し、必要に応じて追加していきましょう。

イベント名計測タイミング用途
cta_clickCTAボタンクリック時CTA到達率の把握
form_startフォーム入力開始時フォーム到達率の把握
form_submitフォーム送信完了時CV計測

ヒートマップツールで行動を可視化する

ヒートマップツールは無料のものから有料のものまで幅広くあります。

無料ツールは計測できるPV数や保存期間に制限があることが多く、有料ツールはセッション録画やセグメントフィルタなど高度な機能が使えます。どちらを選ぶかは、分析対象のLPの流入数と、どこまで深掘りしたいかで判断しましょう。

導入前に「どのLPを」「どのくらいの期間」分析するかを決めておくと、ツール選定がスムーズになります。全LPに導入するより、まずは成果に直結する主要LPに絞って導入し、効果を確認してから拡大するのが現実的です。

まず無料で導入を考えているのであれば、Microsoft Clarityがおすすめです。

A/Bテストツールで改善効果を証明する

A/Bテストツールが必要になるのは、改善施策の効果を統計的に検証したい場合です。

変更前と変更後を同時に配信し、どちらがCVRに貢献したかをデータで比較します。ツールを使わずに「先週と今週で比較」する方法もありますが、流入の質や外部要因の影響を排除しにくい点に注意してください。

最初のA/Bテストは、インパクトが大きく変更が簡単な箇所から始めるのがおすすめです。たとえば、FVの見出し文言やCTAボタンの文言など、テキスト差し替えだけで済む箇所は、開発工数を抑えながらテストできます。

参考記事:A/Bテストの進め方

LPOツールとAI活用で分析を効率化する

LPOツールは、LP分析から改善提案までを一気通貫で支援するツールです。

ヒートマップ、A/Bテスト、パーソナライズ配信などの機能が統合されており、複数ツールを使い分ける手間が減ります。ただし、導入コストが高いため、一定以上の流入があり、継続的にLPOを回す体制がある場合に向いています。

AI(ChatGPT等)は、データの要約や改善仮説の整理に活用できます。

たとえば、GA4のデータをエクスポートしてAIに読み込ませ、「このデータから読み取れる課題を3つ挙げて」と問いかけると、分析の起点になるヒントが得られるかもしれません。

ただし、AIの出力は仮説に過ぎないため、最終的にはデータで根拠を検証する姿勢が必要です。

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分析結果を成果に繋げるLP改善チェックリスト

LP分析で課題が見えたら、次は改善です。

ここでは、ボトルネック別に「どこを直すか」を判断できるチェックリストを提示します。すべてを一度に直す必要はありません。分析で特定した課題に対応する項目から優先的に取り組んでください。

改善項目見る指標改善例
ファーストビュー直帰率、スクロール率見出し・サブコピーの具体化
CTA・導線CTA到達率、クリック率配置・文言・マイクロコピー
信頼要素離脱地点、滞在時間実績・FAQ・料金の追加
フォームフォーム完了率項目削減・エラー改善
表示速度LCP、直帰率画像圧縮・スクリプト削減
スマホ対応デバイス別CVRタップ領域・表示崩れ

ファーストビューと訴求を最適化する

ファーストビュー(FV)は、ユーザーがLPを開いた直後に見える領域です。ここで「このページは自分に関係がある」「読む価値がある」と感じてもらえないと、数秒で離脱されてしまいます。

直帰率が高い場合、まずFVの見出しとサブコピーを確認しましょう。

FVで大切なのは、広告やリンク元との一貫性(メッセージマッチ)です。広告で「3分で診断」と謳っているのに、LPのFVで「導入事例」が前面に出ていると、ユーザーは期待外れを感じてしまいます。広告→LPの訴求が一貫しているか、流入経路ごとに確認してください。

FVに必要な要素は、見出し(何が得られるか)、根拠(なぜ信用できるか)、CTA(次に何をすればいいか)の3点です。これらがスクロールせずに見える位置にあるかを確認しましょう。

参考記事:ファーストビューの設計方法

CTAと導線を見直しクリック率を高める

CTAはユーザーに行動を促す要素です。「資料をダウンロード」「無料で相談する」といったボタンやフォーム導線が該当します。CTAが見えにくい、文言が分かりにくい、配置が不適切といった問題があると、ユーザーは行動に移れません。

CTAの改善観点は、文言、配置、繰り返し位置、マイクロコピー(ボタン周辺の補足文)の4つです。

ボタンの色を変えるだけで効果が出ることもありますが、色だけに依存するのは危険かもしれません。文言や配置とセットで検討し、A/Bテストで検証するようにしましょう。

観点チェック内容
文言何が得られるか具体的に伝わるか
配置FV、ページ中盤、末尾に適切に配置されているか
繰り返し長いLPでCTAが1箇所だけになっていないか
マイクロコピー不安を解消する一言(無料、30秒で完了等)があるか

信頼要素を強化し不安を解消する

ユーザーがCVに至らない理由の一つに「不安」があります。

本当に信用できるのか、料金はいくらなのか、解約できるのか、といった疑問が解消されないと、行動に移れません。信頼要素(導入実績、口コミ、FAQ、料金、運営者情報など)を適切に配置することで、不安を下げられます。

ただし、誇大表現は逆効果です。「導入企業1,000社」と書くなら、その根拠(いつ時点の数字か、どの範囲か)を示しましょう。

口コミも、許可を得た実名・実写のものと、匿名のイラストアイコンでは信頼性が異なります。根拠を示せる範囲で、誠実に伝えることが大切です。

ユーザーの不安解消する根拠
本当に効果があるのか導入事例、口コミ、受賞歴
料金が高いのでは料金表、無料トライアル、返金保証
会社は信用できるか運営者情報、所在地、問い合わせ先
疑問を解決できるかFAQ、チャットサポート

フォームと表示速度とスマホ対応をまとめて改善する

フォームと表示速度とスマホ対応をまとめて改善する

フォーム、表示速度、スマホ対応は、それぞれ独立した改善項目ですが、いずれも「CVに至る直前の障壁」という共通点があります。ここでは3つをまとめて整理し、優先順位の考え方も示します。

フォーム(EFO)を改善する

フォーム到達後の完了率が低い場合は、EFO(Entry Form Optimization)が有効です。

入力項目が多すぎる、エラーメッセージが分かりにくい、入力補助(住所自動入力等)がないといった問題を改善しましょう。必須項目を最小限に絞るだけでも、完了率が改善するケースがあります。

チェック項目改善の方向性
入力項目数必須項目を最小限に絞る
エラー表示リアルタイムで具体的に伝える
入力補助郵便番号→住所自動入力など
ボタン文言「送信」より「無料で相談する」など具体化
離脱防止入力途中の保存、確認画面の簡略化

表示速度を改善する

表示速度は、ページの読み込みが3秒を超えると離脱率が上がると言われています。

画像の圧縮、不要なスクリプトの削除、遅延読み込みの導入などで改善できます。PageSpeed Insightsで現状を確認し、指摘された項目から対応していきましょう。

特にLCP(Largest Contentful Paint)は、主要コンテンツが表示されるまでの体感速度を示す指標です。FVに大きな画像を使っている場合、その画像の最適化がLCP改善に直結します。

スマホ対応を改善する

スマホ対応は、デバイス別のCVRを確認して判断しましょう。

スマホだけCVRが低い場合、タップ領域が小さい、ボタンが押しにくい、表示が崩れているといった問題が疑われます。実機で操作し、ストレスなくCVまで進めるか確認してください。

PCで見た時は問題なくても、スマホではCTAボタンが画面外に隠れている、フォームの入力欄が小さすぎるといったケースがあるかもしれません。Chrome DevToolsのモバイルプレビューだけでなく、実機でも確認しておきましょう。

3項目の優先順位の考え方

優先順位としては、まず技術要因(速度・表示崩れ)を潰し、次にフォーム、最後にスマホ固有の問題に取り組むのが効率的です。

技術要因は全ユーザーに影響するため、最初に対応する価値があります。ただし、スマホ流入が大半を占める場合は、スマホ対応を先に確認することもあるでしょう。

参考記事:EFOの進め方

LP分析で陥りがちな6つの失敗と回避策

LP分析を進める中で、多くの担当者が同じ失敗を繰り返しています。ここでは、以下のよくある失敗パターンを6つに整理していきます。

LP分析で陥りがちな6つの失敗と回避策
  1. 母数不足で判断してしまう
  2. 複数箇所を同時に改修してしまう
  3. 指標の定義を揃えずに比較してしまう
  4. ヒートマップの結果を因果と断定してしまう
  5. 流入の質を無視してLP内だけ改善しようとする
  6. 分析で終わり、改善に進まない

それぞれの回避策を事前に知っておくことで、分析の精度と改善の再現性が上がるはずです。

母数不足で判断してしまう

セッション数が100件しかない状態で「CVRが2%から3%に上がった」と判断しても、統計的には誤差の範囲かもしれません。

最低でも各パターン500セッション以上を目安に、判断に足るデータ量を確保しましょう。母数が足りない場合は、テスト期間を延ばすか、前後比較で傾向を見る方法に切り替えてください。

複数箇所を同時に改修してしまう

FVの見出し、CTAの色、フォームの項目を一度に変えると、どの変更が効いたか分からなくなってしまいます。

改善後にCVRが上がっても、再現性がないため、次の改善に活かせません。1回に1テーマで進め、変更ログを残す習慣をつけましょう。

指標の定義を揃えずに比較してしまう

先月と今月でCVRを比較する際、先月はセッションベース、今月はユーザーベースで計算していたら、数値の意味が異なります。

比較する際は、期間、分母、CVの定義を必ず揃えてください。GA4では「セッションCVR」と「ユーザーCVR」が混在しやすいため、どちらを使っているか常に意識しましょう。

ヒートマップの結果を因果と断定してしまう

「クリックが少ないからこのCTAは効果がない」と決めつけると、実際にはCTAの上部で離脱しているケースを見落としてしまいます。

ヒートマップは仮説の材料であり、最終判断はA/Bテストで行いましょう。相関と因果を混同しないことが大切です。

流入の質を無視してLP内だけ改善しようとする

広告のターゲティングがずれている場合、どれだけLPを改善してもCVRは上がりません。

流入元ごとのCVR差分を先に確認し、LPの問題か流入の問題かを切り分けてから改善に進みましょう。LP担当者だけで完結しない場合は、広告担当者との連携が必要になります。

分析で終わり、改善に進まない

データを見て「課題が分かった」で満足し、実際の改善に着手しないパターンは意外と多いものです。

分析はあくまで手段であり、改善と検証まで回して初めて成果に繋がります。分析後のアクションを決めてから分析に入る習慣をつけると、この失敗を防げるでしょう。

事例から学ぶLP分析と改善の成功パターン

LP分析と改善の成功パターンには、いくつかの型があります。ここでは、再現可能な型として以下の3つのパターンを紹介します。

LP分析と改善の3つの成功パターン
  1. FV改善でメッセージマッチを高める型
  2. フォーム改善で完了率を上げる型
  3. 流入最適化でLPの負担を減らす型

自社の状況に近いパターンを参考に、改善の起点にしてください。

FV改善でメッセージマッチを高める型

FV改善でメッセージマッチを高める型

このパターンは、広告のクリック率は高いのに、LPの直帰率も高いケースで有効です。広告で訴求している内容と、LPのFVで伝えている内容にズレがないかを確認し、FVの見出し・サブコピーを広告の訴求に揃えましょう。

この型は、広告とLPを別々のチームが担当している場合に見落としやすい課題です。

広告担当者とLP担当者が定期的にクリエイティブを突き合わせる運用を入れると、メッセージマッチのズレを早期に発見できるようになります。

フォーム改善で完了率を上げる型

フォーム改善で完了率を上げる型

このパターンは、CTAまでの到達率は高いのに、フォーム完了率が低いケースで有効です。入力項目の削減、エラーメッセージの改善、入力補助の追加といったEFO施策で対応しましょう。

この型は、フォーム到達後のデータ(form_start→form_submit)を計測していないと課題に気づけないかもしれません。

まず計測環境を整えることが前提です。フォーム完了率が分かるようになるだけで、改善の優先順位が明確になります。

流入最適化でLPの負担を減らす型

流入最適化でLPの負担を減らす型

このパターンは、特定の流入元だけCVRが極端に低いケースで有効です。

LPを改善するのではなく、流入元(広告のターゲティング、キーワード、クリエイティブ)を見直すことで、LPに到達するユーザーの質を上げましょう。

この型は、LP担当者だけでは判断できないため、広告担当者との連携が必要になります。「LPのCVRが低い」という課題に対して、LP改善だけが解決策ではないことを認識しておくと、視野が広がるはずです。

パターン課題の兆候改善の起点
FV改善広告CTR高、LP直帰率高FVの見出し・訴求を広告に揃える
フォーム改善CTA到達率高、フォーム完了率低項目削減・エラー改善・入力補助
流入最適化特定流入だけCVR低広告ターゲティング・KWの見直し

まとめ|データに基づいたLP分析で再現性の高い成果を作る

LP分析は、感覚に頼らず、データで課題を特定し、改善と検証を回すことで再現性の高い成果を作るプロセスです。

本記事では、見るべき9指標、GA4での実務手順、ヒートマップとの役割分担、改善チェックリスト、よくある失敗と回避策までを一気通貫で整理しました。

LP分析で成果を出すために大切なのは、分析で終わらせず、改善と検証まで回すことです。データを見て課題が分かっても、実際に手を動かして改善しなければ成果には繋がりません。

小さく始めて、学習を蓄積していく姿勢が、長期的な成果に繋がっていきます。

本記事のまとめ
  • GA4でランディングページ別のCVRを確認し、問題のあるLPを1つ特定する
  • 特定したLPの流入元別CVRを確認し、LP内の問題か流入の問題かを切り分ける
  • 改善仮説を1つ立て、優先順位と検証方法を決める